プログラミング教育必修化の問題点として、プログラミング言語の難しさとICT環境の未熟さが真っ先に浮かぶのではないでしょうか。ですが、前者の問題点は解決済みで、簡単にできるプログラミング言語が開発されているのです。このプログラミング言語を、ビジュアルプログラミング言語と呼びます。
英語を用いたプログラミング言語とは違い、視覚的なプログラミングを可能にする言語なので、ゲーム感覚でプログラミングが可能です。将来役に立つのか疑問に思う方も多いと思いますが、プログラミング教育必須化の目的はプログラマー育成ではありません。本来はプログラミング的思考を養うことにあるため、ビジュアルプログラミング言語で十分目的を果たせるのです。
一方、ICT環境の未熟さはまだ解決されていません。コンピュータ室自体はほとんどの小学校で整備されていますが、プログラミングを必修化するとなると、足りない可能性は十分にあるでしょう。加えて、ICT教育を行う教員に対する研修なども、都道府県ごとにばらつきがあります。
そして、何をすべきか曖昧な点が多いことも問題点といえるでしょう。どの場面でどのようにプログラミングを取り入れるかが、具体的に定まっていません。プログラミングという科目ができるわけではなく、理科や算数、総合の学習の時間などに学校ごとで適宜取り入れられ、学校側が手探りで進めていくことになります。このように、プログラミング教育の必須化といっても、その環境や制度などは、未だに問題点が山積しているのです。